今最も日本で不足していると言われていて、なおかつ給料も安いことで有名な介護職。
介護って本当に薄給ですよね。給料の安い仕事と言えば真っ先に介護職が浮かぶという人も少なくないでしょう。
公益財団法人 介護労働安定センターの調査(平成25年)によると、介護従業者の平均月給は約21万円、そのうち最も従事する者が多い介護職員は約19万円になっています。
19万円だとたとえボーナスが2か月分あっても年収にして266万円。年収300万円にさえ遠く及びません。これはしんどいですね。
何故介護職は給料が安いのか
知っている方も多と思いますが介護施設の収入源の多くは国からの介護報酬となります。
そしてその介護報酬は利用者のサービス内容ごとに設定されていて、更にそのうちの何割が人件費という形で細かく定められているんですね。更に入居者に対する職員の数とかも決まっていたりで・・・
なので介護施設は一般的な企業がやるような「今年は売上が良かったからボーナス多めにする」とか、「仕事量を増やして賃金を上げる」とか、そういう自由な運用が出来ないわけです。入居者を増やせばその分賃金ではなく職員を増やす必要がある。
国からお金を貰って運営している以上国の指示を守って運用しなければならないわけで、工夫して利益率を上げることが難しい。まあ中には儲かってる施設もあったりして、そういうのが増えると規定が厳しくなったり介護報酬の引き下げが起きたりする。
っていうのが介護業界です。
国の資金で運営している以上、頑張って働いても大きく収入を上げることが非常に難しいです。
しかし、管理者に昇格したり専門的な資格取得によって大幅に年収を上げることは可能です。
昇格、資格取得で年収アップを目指す
介護職は誰でも出来る仕事のイメージが強いですが、仕事内容によっては資格を要するものもあります。
資格を要しない一般介護職員の平均月収は19万円ですが、社会福祉士等の資格を要する生活相談員だと23万円、介護支援相談員(ケアマネージャー)だと25万円ほどになります。月収25万円だとボーナス2ヵ月分あれば350万です。
会社員男女の年収の中央値(比較対象を順番に並べた際の中央にあたる数値)が352万円ですから、ケアマネージャーの平均収入でやっと真ん中くらいの収入になるということですね。
人並みの給料を得たければ資格を取ろう
ケアマネージャーや介護福祉士の資格を取って専門的な仕事をするようになればやっと人並みの生活出来るくらいの収入にはなります。それでも一般的な男性会社員よりはかなり安いですが。
なので異業種へ転職する気がなければ隙間時間を勉強に使いましょう。
「そんなことわかってるよ!」
って言われそうですがもうこの業界で収入を上げる方法は決まってます。施設によって大きく変わってくるもんでもないです。
一般介護職員で実務経験を積みつつ社会福祉士の勉強→社会福祉士等の専門資格を取得→相談員等専門的な仕事をする(その際に転職が必要なら転職する)
これしかないです。
管理者への昇格
資格取得以外で大きく年収を上げることは難しいですが、経験を積んで職員の教育や管理を任されるリーダーという立場になれば多少なりとも収入は上がるでしょう。
介護職員は女性のパートや派遣の非正規雇用者が多く、フルタイムで長期的に働く人材が少ないのが現状です。そのため多くの施設では職員を統括するリーダーが不足しています。
与えられた仕事をこなすだけではなく能動的に仕事をするよう心がけましょう。困っている人がいれば率先して助ける、同僚や新人が分からないことは率先して自分が教える。それだけで存在感が上がります。
また介護施設では利用者さんに対して敬語使わない人が多く、それを問題ないと思ってないことが多いですが、やはり相手は年配の方でお客様なわけですから敬語を使った方が利用者さんやその家族、また施設管理者に良い印象を与えることが出来ます。
まとめと補足
介護職で年収を上げたければ資格取得によるキャリアアップという王道手段を取るしかないです。
一般職員のままではいつまで経っても満足の出来る収入を得ることはできません。
また、介護福祉士やケアマネージャーの資格を取得し、それらに従事しても平均月収は30万を下回ります。平均的なサラリーマンの収入を得るためには施設長クラスにならなければいけません。本当に厳しい業界ですね。ちなみに介護施設で最も年収の高いポストは施設長を除けば看護職員です。やはり医療という仕事になれば給料が良くなるんですね。
引き返せるなら異業種への転職も考えよう
年齢的に異業種への転職が難しい35歳以上なら介護系の資格でキャリアアップを目指すのがおそらく一番年収アップに成功しやすいと思います。
しかしまだ20代くらいなら異業種へ転職した方が収入を上げやすいでしょう。
特に一般職員で月収15万前後の人は他の仕事に転職するだけで大幅に年収アップが期待出来ます。
福祉の仕事というのは儲けるためのビジネスではありません。現在の日本のシステムで介護施設で働く限り、高収入を得ることは非常に難しいんです。
もちろん介護という仕事に拘りがあり、やりがいや長期的展望があればそれに従事すべきです。
しかし「仕方なくやっている」、「他に仕事がなかったから」という理由で働いている場合はもう一度他の道を模索してみてはどうでしょうか。