多くの人が現状の収入に不満を持ち、多くの人が、
「もっと良い会社ないかなあ」
と思いながら会社勤めをしているのが現実です。
しかし実際転職によって年収アップに成功した人は少数派です。
転職で年収が上がった人は全体の約3割とも言われています。
何故年収が下がってしまうのか?
理由は大きく分けて二つあります。
目次
日本では転職は評価されない
転職で年収が上がる人は少ない?転職サイトに騙されてはいけない。という記事にも書きましたが終身雇用、年功序列が根強く残る日本では転職する人はあまり評価されません。
例えば転職で入社してきた人は経験者であっても新卒で入って長く勤務している人より給料が高いということはほとんどあり得ません。どんなに仕事が出来る人だったとしてもです。
そのため30歳で平均的な年収を得ていた人が転職した場合、新しく入社する会社では平均を下回る年収になってしまうことが多いです。
日本の多くの会社は優秀な人材を高待遇で引き抜く習慣がないのでたとえ優秀な人材であっても転職による収入アップが出来ないことが多々あります。
つまり何も考えずに普通に転職すると年収、生涯賃金がともに下がってしまう傾向にあります。
無資格、未経験の場合だと新卒と変わらない待遇であることも多いようです。ちなみに私が転職で入社した会社も未経験だったので入社時は新卒とほぼ変わらない待遇でした。
さらに転職をする人の多くは役職のない平社員です。平社員からの転職の場合入社する会社でも当然役職がないので低い位置からのスタートとなりやすいです。
無計画に転職する人が多い
一昔前ヘッドハンティングという言葉が流行りましたが、企業側が求める人材に条件を提示して入社を促すような転職は全体的に見ればごく稀なケースです。
転職する人のほとんどが前職が嫌で辞めてしまったり、早く新しい仕事を決めたくて勢いで転職してしまいます。
特に先に退職を決めてしまった人は焦って転職活動をしてしまうため失敗しやすいです。
3月末で退職が決まっているけど新しい仕事先が決まらない・・・
ほとんどの人は収入が途切れるのが怖くて最終的に何でもいいから受かったところにと思って条件の悪い会社に入社してしまいます。
転職で年収がアップした人は全体の3割程度しかいないと言われていますが転職で年収が下がってしまった人のほとんどが事前準備等何もせずに無計画に転職してしまいます。まあそもそも転職の目的すべてが年収アップのためだけではありませんからね。
転職に失敗する人の共通点
「転職に失敗したくない」
「転職で年収を下げたくない」と考えている人はたくさんいるでしょう。
実際に、うまく転職しないと、「前職の方が良かった」ということになりかねかません。
実は、転職に失敗する人にはある共通点があります。
本ページでは転職に失敗する人の共通点と、その対策について説明します。
失敗する人の共通点は大きく分けて
- 自分を客観的に分析できていない
- 他責にする
- 軸を持っていない
の3つがあります。
自分を客観的に分析できていない
転職で失敗しないためには、自分を客観的に分析する必要があります。
もっといえば、
「自分はどんな会社が求めるのだろうか」
「どんな能力が生かせるのか」
を考えて行動しなければなりません。
しかし転職市場でよく見られるのは、会社名、ブランドばかりを見て、自分のスキルや能力が自分のエントリーした会社にどの点が求められるのか考えていない転職者です。
また自分の能力を客観視できておらず、高く見積って自分に合っていない求人を希望するというケースも非常に見受けられます。こういった方も書類選考で見送り、運よく面接までこぎつけても面接でコテンパンにされて結局受からないというケースも非常にみられます。
別に有名会社にエントリーすること自体が悪いわけではありません。給与水準が高い会社・ポジションにエントリーするのも否定する気はまったくありません。
ただ自分がどんなことができて、どのような実績があるのか、そのエントリーする求人における仕事内容が何なのかを考えずに応募しても失敗は目に見えています。
その求人と仕事内容に親和性があるのかをしっかり冷静に分析して、何をアピールしようかが明確な人ほど、転職で成功する方、また転職市場で求められる方だということを認識することが重要です。
他責にする人
他責とは「人のせいにすること」です。
少しでも嫌なことや、うまくいかないことがあると、環境や人のせいにすると自身の「課題」が見えなくなってしまいます。
「課題」が見えないということは、解決、次のステップが見いだせないということですので、何を努力していいのかわからなくなり、自分のスキルや能力が磨かれなくなってしまいます。
転職回数の多い人は一概にはいえないのですが、自身が成果を出せない、会社でうまくいかないことを棚上げにし、転職を無駄に繰り返してキャリアをすり減らす人が多いです。
企業は「課題を解決」してお金をもらう組織ですので、自身の課題を解決できない人材は不要とみなされます。
軸を持っていない人
先ほどの「ブランド志向」の方にもつながりますが、仕事において「自分は何がしたい」ということが明確になく、会社名や給料だけでエントリーする会社を探そうとする人は、大体転職に失敗します。
転職する理由が明確で、何を果たすためにどんな仕事をしたい。そして、何は譲れない(労働時間や給料など)といったことまで明確に説明できるよう分析して置くことも重要です。
「転職で成功したい」
と思っても自分がどのような転職を望んでいるかが決まっていなければ成功はありません。
自分がやりたい仕事をが出来る会社で働きたいのか?
収入アップを図りたいのか?
福利厚生が充実している会社が良いのか?
不満のある会社で働いていた人が、すべてが揃う会社へ転職するのは非常に難しいです。
まずは自分が「どうしたいのか」を明確に決めて会社を選びましょう。
転職で成功するためには
転職で失敗する人の特徴は上記で説明した通りです。
では、具体的に「失敗しないため」にはどうすればいいのかについてお話いたします。
具体的に、転職で失敗しないためには下記の2つの方法を取っていただくことが重要です。
自分の希望している仕事を明確にする
受ける会社名や給料の前に、「自分はどんな仕事をしたいのか、明確にし、どんな軸で転職活動をするのか」を決めてみてください。
どのように決めていくか、以下の手順で軸を固めるとやりやすいです。
- なぜ転職をしようとしたのか考える
- 自分の仕事の中で好きな部分を見つける
- 自分のスキルを活かせる仕事か考える
一言でいえば、会社や待遇を一旦棚に置いて、今の仕事をしたいかしたくないかを決めることが重要です。
今の仕事が好きなら、同業や似たような仕事から選べば問題ないでしょう。
今の仕事をもうこれ以上したくない場合は、なぜしたくないかを明確にする必要があります。
ここでは営業職を例にとってお話しします。
転職の背景として、新規開拓が苦痛であるならば、金融、不動産、人材業は不向きです。有形商材のほうが良いでしょう。
食品業界、機械・電気系のメーカー、店舗系の仕事のほうが向いているといえます。逆に、単純に転勤が嫌なら、大規模な会社の有形の仕事は向かないでしょう。
自分の仕事の中で、好きな部分を見出してください。
次に、今仕事をする中で、やりがいに感じられているところを考えてみましょう。
例えば新規開拓は嫌いだけど、専門的な知識を習得すること、クライアントへの訪問は好きだったという方であれば、例えば機械メーカー、部品メーカーなどだといいかもしれません。
また働き方があなたに合っていているのであれば、単純に好きなものを仕事にするのでもいいのかもしれません。
重要なのは、長期で働くことができ、満足して成果をあげられると思えるということが大事なのです。
次に、自分のスキルを活かせる仕事かどうかを考えましょう。
「やりたい」だけでは仕事はできません。それができるとすれば25~6歳くらいまでです。
20代後半からの転職は、基本的に「これまでの経験を生かす」ことが重要です。
「30過ぎたら利息で暮らせ」
というやつです。
その経験というのは20代であれば「仕事の進め方」が合うか合わないか、というのがポイントになります。
例えば、代理店を使ってエンドユーザーに売っていくような仕事の進め方ができるか、新規開拓を行う際、電話でアポイントを沢山っ取得できるのか、などがここであげられるスキルになります。
ちなみに、メーカーのエンジニアはもっと単純で、電気・電子・機械の知識、経験があるかなどの非常にわかりやすいポイントでこのスキルの有無がポイントとなってきます。
上記のような手順を徐々にずれをなくして、自分にぴったりの仕事像を描いていく、仮説と検証を繰り返しながら最適な仕事、会社を見つけていくことで転職を成功させることができるのです。
転職エージェントを使う
上述であげたような手順を一人でこなすことって実はそんなに簡単ではありません。
やりたくないことくらいは分かるかもしれませんが、やりたいことや、自分に合った仕事を考えていくということは意外と簡単なことではありません。ましてや、自身の適職で、かつ転職市場にある求人となると、余計にハードルが上がってきます。決して簡単ではありません。
そのため、転職エージェントを使い、転職のプロと一緒に活動してください。
転職のプロは自身のキャリアについてどんな仕事が合っているか、どんな経験からどんな会社がほしがるかなど、客観的に自分を分析してくれます。また、エージェントしか持っていない非公開の求人も保有しています。
一人で転職するより、成功する可能性が圧倒的に高いため、ぜひ転職を考える際には転職エージェントを訪ねてください。
まとめ
転職活動は決して楽ではありません。
「スケジュール調整から、どうアピールしていくか、そもそもどういう戦略で転職を成功させるか」などやることが多いのです。
そこで転職エージェントを使えば、ただ求人を得られるだけではなく、上記のような考える作業、面接に受かるようするための情報収集、スケジュール調整などを行ってくれます。
しかも、転職エージェントへの費用は、あなたを採用してくれた企業から払ってもらうこととなるため、あなたは「無料」で使うことができるのです。
改めて、転職を考えるなら、転職エージェントを使わなければ損です。ぜひ転職の際は転職エージェントを使って下さい。
年収アップに失敗しないためには
転職業界は仕事を探す求職者を「商品」、人材を求める企業を「顧客」、年収を「価格」とされ完全に市場化しています。
市場には必ず商品に対する価格の相場があり、転職で年収アップするにはまず自分の相場を見極める必要があります。
例えば現在自分の年収(価格)が自分の能力(商品価値)よりを下回っている場合、相場(その職務の平均的な年収)に合わせるだけで年収アップが期待できるので比較的簡単に上げることが出来ます。
しかし逆に今の自分の年収が相場より高い場合は転職によって年収がダウンしてしまう可能性が高いです。
自分の今の年収が相場より安ければ転職によって年収アップがしやすく逆に高ければ年収ダウンしやすいです。
転職で年収を上げたいならまず自分の仕事の相場を見極める必要があります。
例えば特別なスキルを必要せず役職もない公務員の場合、転職市場では新卒とそれほど変わらないほどに価値が非常に低いため相場は低いです。年収300万円というところでしょうか。
そのため公務員から一般企業に転職すると高確率で収入が下がってしまいます。
相場を見極めて転職するべき
転職で年収アップを計りたいなら年収の相場を見極めることが重要です。
年収アップに成功した人の一例を上げると、私の知人に美容師から転職して100万以上の年収アップに成功した人がいます。
美容師は人気があり供給過多である職種の一つのため給料が比較的安いです。
独立して開業しない限り優秀なスタイリストでも年収300万程度しかありません。
しかし優秀な美容師は言葉遣いも綺麗で接客も丁寧に出来ますし、雑談力がありコミュニケーション能力が優れている人が多いです。
その知人はコミュニケーション能力と美容に関する知識を活かせる美容製品関係の営業職に転職しました。
営業職なら30代でも平均年収400万~500万程度あるので容易に年収を大幅にアップすることが出来ます。
彼は美容師としては妥当な年収でしたが個人の能力としては相場より安い収入しか得られていませんでした。
営業職という比較的年収の相場が高い仕事へ転職することで本来の自分の相場通りの収入を得ることが可能となりました。
異業種への転職は特に相場の見極めが重要です。
まとめ
転職による年収アップに成功した人は全体の割合としては少ないです。
しかし事前に転職市場を調査し準備した人の多くは年収アップに成功しています。
近年は転職市場が活性化し様々な転職サイトや転職エージェント等のサービスもあるのでそれらを駆使して少しでも条件の会社に転職出来るよう頑張りましょう。